Sunday, 30 October 2011

ロンドン交通事情

 9月に渡英してから早くも2ヶ月が経つ。アパートにも入居し、引越し荷物も着き、家族もようやくこちらに来て、これから本格的な生活が始まる。では今までは本格的ではなくて何なのかと問われると困るが、ほとんどがスーツケースを頼りにしたホテル住まいだったので、その状態からするとかなりの前進である。


不思議なもので最初は何かと首を傾げたくなるようなことが目に付いたが、いつの間にか「こんなものか」という気になってきている。いちいち気にしていたところで何かが変わる訳でもなく、であればありのままを受け入れて生きていく方が合理的だと自分のどこかで思っているのだろう。


注文した車は当初来年の1月にならないと来ないと言われていたのが少しずつ早まっている。とは言え、11月下旬にならないと来ないということでその間はレンタカーで凌いでいる。
「足」があるのと無いのとでは生活の幅が変わってくるし、赤ちゃんがいるとこの交通手段は本当に助かる。しかし困るのが駐車。こちらは駐車場が少なく、とにかく道端の路駐が正式な駐車場とされている。縦列駐車は得意な方ではないのだけれど、慣れるしかないと腹をくくっている。路肩に停めるにもパーミットが必要で、朝の8時半から夜の6時半まではそれがないと指定された箇所にも停める事ができない。先日は事情があって1時間くらい黙って停めていたらちゃっかり駐車禁止違反ということでしっかり切符を切られてしまった...。
日本で国際運転許可証をとるとこちらでは一年間そのまま運転できることになっている。とはいえ、事情も違うので多少は誰かに教えて貰わないと困る。しかしながら他の事と一緒でそんなことを懇切丁寧に教えてくれる人などおらず、自分でどうにか類推しながらやっている。最初に一番困ったのが round-about と言われる交差点。信号の代わりに交差点の真ん中に円形の土地があり、それを中心に左回りに全ての車が通り、好みの出口から出て行くことになる。大きい round-about は信号もついていて、円形のまわりだけで3車線も4車線もある。小さいものだと間違えて円を回るのを忘れてしまいそうになる。この間は小さいのが二つつながっているのがあったが、とっさに考えても仕組みがよく分からなかった...。とりあえず「右から車が来ていなければ行ってよし」という極めて単純なルールを勝手に設定して守っているが、今のところそれで大丈夫なようだ。


市内には信号もあるのだけれど、黄信号が赤になるときだけではなく、青になる時にも点く。青から赤になろうという時の黄信号は明らかに機能的である。しかしながら赤から青のときの黄信号は果たしてどんな役割を担っているのか。なかなか青にならないでイライラしている人の感情をほんの数秒だけでも和らげる効果くらいしか思いつかない。


もう一つ運転して初めて気づいたことは至る所にCCTVが設置されているということ。スピード違反、駐車禁止違反、Uターン禁止違反等々を取り締まるべく、CCTVがばっちり見張っているのである。そして話に聞くところによると実際に機能しているらしい。荷降ろしのために赤二重線に1分停めていたら後日自宅に写真つきの切符が届いたという話を何人かに聞いた。自分も先日スピード違反のカメラのフラッシュに目を眩まされてしまった。どうも汚いのが制限速度が急に50mile から30mile になった直後の地点にカメラが設置されていることで、まぁ、合理的といえば合理的なのだがこちらとしては困る。その切符はまだ来ていないし、レンタカーなのでどういう風にされるのか分からないけれど、まぁ、「こんなものか」と開き直っている。





Monday, 10 October 2011

London design


ロンドンに来てから色々な情報を探すのにインターネットに頼ることが多い。何せ海外赴任者・駐在者のブログが多くて便利!こちらとしては非常に助かるけれど、自分のブログはあまたある「ロンドン赴任者の駐在体験記」の一つに過ぎないのかと思うとそれはそれで空しい...

まぁ、日記程度のものとして気が向いたときに書いていこうかと思う。

さて、前からグラフィック・デザインやインダストリアル・デザインに興味を抱いていたけれど、ロンドンの街を歩いていると改めてデザインの影響力の強さを感じる。人がある街を想像して抱く印象は気候や町並みの景色から連想されるところも多いと思うけれど、少なくとも自分にとってロンドンの地下鉄の駅のマークやそのタイポグラフィー、JR東京駅の12番線を示すサイン、シャルルドゴールに降り立った時のトランジットのマークなどからもその街の雰囲気を感じる。

ロンドンはこの10年間で変わったということを割とひんぱんに耳にする。それは食事のバリエーションが増えたということも聞くし、個人的には服装や建築のデザインにおいてより冒険をするようになったのではないかと思う。何がきっかけでそうなったのか、あるいはただ自分が知らなかっただけなのかもしれないけれど、とにかく世界中から人々が集まり、自分の文化を大切にしながら暮らしていく中で個性の主張が強調されていったのではないかと思う。よりエッジをもった文化が醸成されていったのではないかと思う。そんなロンドンが好きだし、心地良い。

カフェを出ようとするおじさんの羽織るジャケットの裏地がピンクだったり、ホテルのロビーにおいてある椅子がシルバーと紫だったり、普通のレストランで渡されるメニューが明るいオレンジ色だったり。うまく言えないけれど、どれもさりげなく主張しているのが自分の趣向にあっている。暗黙の超えてはならないラインがあって、みんなその範囲内で生きているようだ。

そんな中、London Design Museum Kenneth Grangeというイギリスの工業デザイナー展をやっていた。とにかくこの人の守備範囲は広く、いわゆるblack cabからバス停、歯ブラシやカメラまで、色々なところに足跡を残してきた人。彼のデザインしてきた数々の物を見ていて感じられたのはプライド。例えば駐車メーター一つとってもアメリカから直接輸入したものではイギリスの街の雰囲気に馴染まないということで同じような機能のものをわざわざデザインを変えて作っている。他とは少し違うところを見せたい。そういう気概が感じられたし、やはりそれは前に書いた個性の主張という流れに沿っているのだと思う。