という訳で、今回Tateで彼が芸大に通っていた頃からの作品をまとめて展示するというので(間違いなくロンドン・オリンピックを意識したタイミング)早速行ってみると実に混んでいる。2回行っても入れず、ついに事前に予約をして日曜日の朝にでかけてみることに。前にもFBに書いたが、当日は副鼻腔炎の影響で熱があったのにもかかわらず、「三度目の正直」と「二度あることは三度ある」の後者になって欲しくないという気持ちと純粋にこのアーティストの作品を見てみたいという気持ちが勝って無理矢理いってみることに。
そんな状態ではあったが、実際に作品をまとめて見て、自分の中における彼の印象はかなり変わったものとなった。行く前までは「面白いアイディアを器用にレイアウトするお気に入りのアーティスト」というイメージだった。どちらかというとキレイなグラフィック・デザインが好きだと感じる延長線上にあった。今の印象は「ウケを狙いながら作品を量産化するこれからも気になるであろうアーティスト」。実際に作品を見ると色々なメッセージを意識し過ぎている気がして、遠目からデザインとして見るとキレイで面白いけれど、近寄ってアートとして見るとストレート過ぎてちょっと引いてしまう。でも、この人は意識してかせずか、色々な人に色々な疑問を投げ掛けて話題を作り出している。それだけでもスゴイことだと思う。世の中の全てが変わりつつある今の時代において、アートだって変わらなきゃ。という問い掛けなのかもしれない。
自分は以前から人間の意図だけに頼らない、自然の力を組み入れたアートに興味がある。植物のしなやかな曲線、風の自由な軌道、波のダイナミックな動きにとても魅力を感じる。そういったものと人間の表現を組み合わせたら面白いのではないかと思う。工業革命の後に盛んになったアール・ヌーボーの運動も大きな意味ではそういうことなのではないかと自分なりに解釈している。そういう意味でDamien Hirstの作品は多分にそういった要素を取り入れている。
大きなガラス張りの空間の中にうじ虫の入った箱、牛の生首、害虫灯が置かれている。うじ虫はハエになり、ハエは牛の生首にたかり、そして害虫灯の光に誘惑されて死んでいく。別のところに展示されている巨大な黒い円盤は最初は何やら面白そうなモコモコの展示物と思いきや、近寄ってみると何万匹かのハエの死骸を樹脂で固めたもの。人工的にはコントロールしきれない要素。自然の摂理に頼るやり方。これは自分としてもテーマとして面白いと思う。けれど、大きく口を開けてホルマリンのタンクに吊るされたサメにしても、真っ二つに切られて展示される牛の親子にしても、どれもあまりにストレートな表現で終わる頃にはボディーブローを打たれ続けたボクサーみたいにクタクタになっていた。
まぁ、でもこれからもいったいどんな発想で、どんな作品を作っていくのか気になると思うし、遠目から見る分には害が無いのだろうからそういう付き合い方になるのだと思う。そう思っていた矢先にアマゾンから展示のカタログが届いたので開いてみると実際に見たときの印象が蘇ってきてまた疲れてしまった。しばらくは二日酔いが続きそうである。。。
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